NFLdraftと企業の採用活動 - BPA採用とニーズ採用

network, intelligence, artificially-8276891.jpg NFL・アメフト

NFLdraftの指名手法、BPA採用とニーズ採用。

企業の採用も近い部分があるよ!

 以前にもお話ししたが、私の趣味はNFLの観戦である。NFLは9月~2月まで開催される。毎年4月末に開催される新人を指名しチームメイトに迎え入れる会議(NFLdraft)がオフシーズンの大きなイベントである。

 大学のアメフトで活躍した選手の誰を指名し、自分のチームに迎え入れるかという作業は、企業の採用活動にそっくりである。今日は、NFLdraftで各チームが行う指名の考え方を紹介し、企業の採用活動と絡めてお話ししたいと思う。

 プロスポーツでは、お金を持っているチームが有力選手とどんどん勝手に契約ができないように様々な規制を設けている場合が多い。新人指名のドラフトでも、前シーズンに成績が悪かったチームからドラフト指名できるようにして、戦力の均衡を図っている。

 特にアメリカのプロスポーツ(NBA、NFL)は、同順位で競合してくじ引きなどはない、単独で交渉権を得る。この点、戦力の均衡策としては、日本のプロ野球より徹底している。

 NFLdraftでは、指名する場合大きく分けて2つの考え方がある。BPAで指名するか、ニーズで指名するかである。

 分かりやすいので、ニーズで指名するという考えからお話ししたい。ニーズとは、文字通りチームニーズに沿った指名を行うことである。自分のチームの弱点を分析し、このポジションに良い選手かいればもっとチームは強くなるのにと考え、その能力に見合う人材をドラフト指名するのである。当然といえば当然な行為である。

 一方のBPAとはBest Player Availableの頭文字を取った略語です。意味合いとしては、「現状で指名できる選手の内、一番能力の高い選手を指名する」ということです。能力の高さを測る基準としては、さまざまなサイトで公表される数値です。その数値は、体のサイズや体力測定会での成績などを加味して作られています。各社作るので正直なところばらつきがあります。NFLチームも各社を参考にしていると思いますし、チーム内のスカウティング部門がチーム独自の手法でそのような数値を出している場合もあると思います。

 このようなチームニーズから離れて数値で採用する手法は、他のプロスポーツでもないとは言えませんが、アメフトならではだと思います。

 アメフトは、シーズン中にけがする人が多く、スターター(いわゆるレギュラー)のほか、控え選手のレベルがとても大切です。主要なスターターに良い選手がいることも大切ですが、チーム全体でどれくらい選手層が厚いかという部分がとても重視されているからです。その層の厚さを‘Depth(デプス)’と言います。チームニーズから離れていてもBPAで補充することはとても大切なことです。

 もちろん、チームニーズに沿った形のBPAという折衷的な採用手法もあります。その他、チームの採用しているシステムやコーチのフィロソフィー(哲学)に合致するかという点からも選手の取捨選択がなされると思います。

 一般的に現状弱くて攻撃陣、守備陣にいわゆる‘アナ’が多い弱小チームがニーズ採用、ある程度人材がそろっていてコンスタントにいい成績が出せるチームがBPA採用という傾向にある感じがします。

 では、企業の採用に置き換えるとどうなるでしょう。

 例えば中小企業で、海外に販路を広げたいと考えれば、当然、外国語が得意な人材を欲しがります。業務の見直しをデジタル面から行いたいと考えれば、当然、ネットワークやアプリなどに詳しいデジタル人材を欲しがります。この部分はかなりニーズ採用に近いのではないでしょうか。この辺のことを外注することも可能ですが、旨味(利益)は少なくなってしまいます。最初は外にお願いしても最終的には自前でやりたい、その過渡期であってもそのような人材の必要性はあります。まさに、その仕事に必要な人材を採用するというニーズ採用になっています。

 一方の大手企業はどうでしょうか。これは完全にBPA採用ではないかと思います。営業から管理、研究部門まで取りそろえた大企業なら、まず優秀な人材をかき集めて、その人に合う職場を見つけ出し、そこに配置すれば、組織の能力は上がります。とにかく、能力の高さを基準に考えれば大きくミスることはなさそうです。将来的な幹部候補はその中から自然に育つでしょう。

 このような大手企業の考えは、‘新卒採用’、‘終身雇用に近い雇用体系’、‘強力な人事権’があるからです。大手企業のメンバーになってしまえば、どこか地方に飛ばされることがあっても、定年まで働くことができるという環境があってのことです。

 今では、デジタル人材を中心に中途採用も増え、その採用を実現するために特別な給与体系を設置する会社も増えています。

 大手企業に就職しても、常に誰かに必要とされるようなニーズを捉えた人材であり続けたいものです。そのためにも就職しても学び続けることが大切です。リスキリングも必要に応じてできるようにしたいですね。

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