採用型インターンシップは過去にも存在した - 意外に知らない就職活動史

river, forest, landscape-8285764.jpg 就活全般

採用型インターンシップ、実は過去にもあった。

その時の問題点をどう乗り越えるか、考えてみよう!

 就職活動をする就活生にとって、この秋冬のインターンをどこに行くかというのは大きな話題だろう。そして、この夏どこのインターンに参加したかというのも重要である。

 今年は、インターンで一部採用活動をすることが可能になったからだ。「インターン採用元年」などと言っていたりする。

 しかし、実は約20年前、インターン採用制度が存在したのである。

 2002年頃の話である。その時期はインターンで「採用をしてはいけない」というルールも協定も存在しない空白の時期だった。20世紀にあった就職協定と経団連の取り決めの間の時期である。その時には、よーいドンの採用ルールよりも学生が確保しやすいのではないかという考えが一部にあったのだ。

 その当時、東証一部上場企業のアンケートに回答があった企業のうち、インターンを行う会社が4社に1社弱ほどあったというのだ。(リクルート社によるアンケート結果)

 今のような1dayインターンではなく、欧米型のインターンがガッツリと行われていたのだ。

 松下電器産業(現パナソニック)もその一つで、超人気企業が「インターンシップで早期・通年採用」を打ち出したことで、他社の追随がはじまり一気に火がつく結果となった。

 しかし、なぜまた改めてインターン採用元年などと言われるようになったのだろうか。実は理由は簡単である。失敗したからだ。

 欧米型のインターンなのでガッツリとした「実務体験型インターンシップ」である。複数社受けることは基本的にできない。その会社と思いインターンに参加し内定をもらっても、他も見てみたいという要求は変わらない。1社を見ただけで人生は決められない。インターン採用ではなく、通常ルートの採用面接を受け、内定後、続々と流失が相次いだのだ。

 企業側としても、入社までの2年間どのように関係を維持するかという問題にぶち当った。リクルーターに管理を任せ、時々勉強会を開く、さらにはバーベキューやキャンプなど休日のアクティビティを挟み込んだりしたそうだ。しかし、あとから通常採用を始めた企業にあっさりと抜き返されてしまうという現象が相次いだ。結局、大きなコストを掛けても理想通りに採用活動は進まず、経済的にも精神的にも疲弊するだけの制度だということ企業側に幅広く認知されてしまった。

 この時の教訓をまとめよう。日本の横並び意識の強い大手企業群では、誰かが抜け駆けをすると追随現象が起きる。その結果として就活の超早期化の現象が起こってしまう。一方、学生側はインターンで内定が出ても、その後に人気企業がインターン募集とか通常採用をしていれば、すぐにそちらにも応募してしまうのだ。

 これは学業の面でも影響がある。早期に内定を得たインターンシップ勝者のような学生が現われると、その他の就活生は焦り、どんどん就職活動へ時間を割いていくのだ。大学の授業が疎かになり、内定をもらったのに卒業できず、就職できないなどということがあり得るのだ。大学側としても、就職部・キャリアセンターを通じて支援したにも関わらずこのような結果になってしまっては目も当てられないだろう。

 その後、大手企業の採用型インターンシップはなくなった。経団連の「採用選考に関する企業の倫理憲章」が制定、さらに賛同企業の社名が発表される形式へと強化され、それ以降、早期採用が事実上できなくなった。

 さて、今年から始まるインターンシップはどのようになるだろうか。以前のように早々に内定を出して苦労する企業も当然あるだろうと考える。これに関しては、理想型ではあるものの実行不可能な側面があるということは明らかである。よほどの魅力的な超優良企業のみが、早期採用の恩恵を受けるはずである。

 普通の大手優良企業は、1day~3daysの短期型インターンで、ある程度就活生の目星を付け、春からの選考に来てもらえるように声を掛けていくというのが主流になるのではないかと考えている。

 もちろんその企業のインターンに参加した就活生には、一部の選考が免除されるなどの特典がつくことになる。

今回の採用型インターンシップはどのようになるのだろうか注目している。

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