土日の日本経済新聞(2024年1月20日、21日) -部下への暴行訴訟

dice, play, game-8519982.jpg 会社・社会人一般

パワハラの事件である。

ストレスがあっても暴発させちゃダメだよな!

 この土日の日本経済新聞で気になった記事は、21日(日)の朝刊27面の記事、『会議で激高、「6秒」待てず』(揺れた天秤~法廷から~部下への暴行訴訟)である。

 2016年の事件、都内のインターネットサービスの会社の会議室で起こった。

 40歳の部長と同い年の部下で会議中に口論となり、上司で部長の者が缶コーヒーを机にたたきつけ、会議室の壁を叩き、椅子に座っている部下のシャツをつかんだ、とのことである。

 直後に部長は、部下に謝罪、飲みに誘うも断られた。部下の方は、翌日の深夜から首の症状が良くなり、通院。

 1ヶ月後に退職し、部長と会社を相手取り約1億4千万円の訴訟を起こす。

 パワハラで暴行もあったということで、正直なところ言い訳できない内容である。部長は、これまで暴行はおろか、社内で人ともめたこともない人物だったそうだ。

 1審で部長側の責任が認められるも、「労働能力に影響のある後遺症があるとはいえない」として賠償額218万円が認められた。双方不満で控訴し、事件後7年経った今も係争中とのことである。

 元人事の立場としていろいろ考えてしまうことがある。

 部長と部下は同い年だったが、役職が違い、上下関係が存在していたとのことである。実はこのようなことはよくあることである。出世の早い人間と遅い人間がいる、年齢は下でも上司ということは珍しいことではない。役職を付けるような場合、研修などをして年上部下の扱い方などをしっかり教え込むような会社も存在する。女性管理職を任命する場合には、男性部下の扱い方を研修したりする。

 このようなことは当然起こりうることで、会社人事としては一切気にしなくていいかというとそうではない。部下側でも古い考えを持った人間だと、過剰に反応したり、働き方に影響がでたりするタイプがいるのだ。年功序列を重んじ、女性軽視の傾向があるような人物である。

 今回の部下の方は少しそのような方向性のある人間だったのではないかと思う。会社の規模が大きければもっと働く場所を考慮できなかったのだろうかと思ってしまった。

 「トラブルの直後、部長は部下に謝罪した。そして飲みに誘った。」

 このような一連の行為の流れは、よくある。まあ普通かなと思う方も多いだろう。

 しかし、この“謝罪+飲みの誘い”が怒りの火に油を注いでしまったのではないだろうか。謝罪をする場合には、まずしっかり謝罪のみを行い、原因についてもしっかりと話すのが基本である。今回の場合、取り乱してしまったことを謝罪し、営業方針について再度話し合う機会を設定するだけで良かったのではないだろうか。

 今後、どのようにするかについても決まっていないのに、「飲みに行く」ことで安易に解決しようとした部分に違和感を覚えたのではないだろうか。部下側から見れば、「軽く見られている」と感じてしまったのではないかと思うのである。

 謝罪するときには、謝罪のみを原因との関係だけでしっかりと行うのが基本である。その他のことを混ぜたり、追加したりすると反感を買いやすい。元TOKIOの山口さんの謝罪会見の時も、記者の求めに応じて「復帰したい」と今後のことを話してしまったために炎上してしまった。

 部長の謝罪に付け加えた「飲みの誘い」が余計だったのではと感じてしまった。

 部下はすでに退職している。部長は今も会社に残っているようである。

 部長は、この係争中の7年おそらく昇進もしていないだろうし、大きな仕事は任されていないだろう。

 会社側としては、パワハラトラブルを起こして係争中の人材を昇進・活躍させにくいからである。元社員の部下が週刊誌などに事件のことなどを売る可能性もあるからである。

 降格とかまでは分からないが辛く不毛な会社生活が続いていると思う。部長としては早く決着がついてもらいたいと思っているはずである。

 部長と同じ40代の労働者の87%がストレスを感じながら働いているとのことである。ストレスを抱えていても暴発しないように、そのストレスを上手く飼い慣らす必要があることを記事は教えてくれている。

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