土日の日本経済新聞(2023年10月7日、8日) - この記事だけ読みなさい、それだけでいいっ!

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酒席での失態、採用にも影響する。

酒は飲んでも飲まれるな!

 今回の土日の日本経済新聞の記事でぶっちぎりの1番だった記事は、日曜の朝刊27面の「歓迎の宴暗転、失った内定(採用撤回訴訟)」(揺れた天秤~法廷から~)である。

 転職で商社への内定が決まっていた男性、勤務開始の前に歓迎会で酔っ払って暴言を吐いてしまった。それが原因で採用内定取り消しになった。男性は諦めきれず内定取り消しの無効を求めるも敗訴したという事件である。控訴したが東京高裁でも、結論は維持され判決は確定したという。

 実はこの記事がでることは、X(旧Twitter)で金曜の午前中に知っていた。日経のHPでは、有料の記事になっていた。早く読みたくてしょうがなくて課金を一瞬考えてしまった。とても上手くできている。少し脱線してしまった。

 この記事を見る前の私の感想は、お酒の席での話だけで内定取り消しは、少しやり過ぎなのではないかというものだった。しかも、地裁、高裁とも内定取り消しを認めている。自分の肌感と合わなかったのでとても気になっていた。

 まず、判決で内定取り消しが認められるのは、「内定当時に知り得なかった事実があった」など合理的な理由がある場合に限られる、との基準が存在する。男性側は、酒席での発言は「正常な意識下の発言ではなかった」として取り消しの無効を求めた。

 男性は1次会でかなり飲んで、2次会の途中から記憶をなくして暴言を吐いたとのことである。暴言の内容は、様々書かれているが、①これから同僚社員になる人へのからかい、②入社理由を「ついでに受けただけ」と発言、③上司の名前を呼び捨て、連呼した、④会社の方針と自分のやり方が違ったら自分のやり方を通す、などの発言があったそうだ。

 採用面接に同席していた支店長が中心となり、同席者のヒアリングし、男性の発言が「備忘録」としてまとめられたそうだ。支店長は、会社側の証人にもなっているが、自分が採用した手前、何とか一緒に働けないかと思っていたが、最後はもうどうしようもないなと諦めたそうである。

 判決では、男性の酒席での発言を「職場の秩序を乱す悪質な言動」とし、これを社会人としての礼節の欠如とし、「採用内定段階ででは知り得なかった」として内定取り消しを有効とした。

 また、飲酒は一連の失態を正当化する理由にならないとした。

 私は、“「内定当時に知り得なかった事実があった」など合理的な理由がある場合”という基準については総合的な判断基準なので様々な事情が取り入れられると思う。

 今回については、ある種の信頼関係が破綻してしまい、それが修復不可能になってしまったという点が大きいのではないかと感じた。

 日本の企業は、メンバーシップのようなもので、その人と会社の雇用関係、その人と同僚社員の人間関係は長く続くことが想定される。そのような永続的関係が続くことが予想される中で、入社前に信頼関係を破綻させることをした場合、内定取り消しもしょうがないのだろうなと感じた。

 歓迎会に同席した社員の陳述書の中に「このような人が入社してこなくて本当に良かったと安堵している」という言葉があったそうだ。

 一度、入社すると逆にどんなに信頼関係が破綻しても解雇はさせにくいというのが日本の会社である。もし、同じことが入社後の酒席で起こった場合はどうなるのだろうか。入社間もなければ、同じような判決が出ることも考えられる。3年以上勤めていた上での発言だったら、内定取り消しは無効になったであろう。

 人事採用の難しさを感じる事件である。

 記事の中でも、78%の人事担当者が「活躍できる人材を面接で見極めることの難しさを感じているそうだ。

 最近は、面接だけではなく、グループディスカッションやインターンシップなどが様々な選考方法があるのも、やはり多角的に判断したいからなのであろう。

 インターンシップ終わりに先輩社員にごちそうになったりする場合もあるだろうが、酒席での発言も当然採用に響くということは確かになった。就業時間を外れているといっても、就活生であり、社会人のタマゴだということは忘れてはいけない。

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