土日の日本経済新聞(2023年10月21日、22日) - 消化器殴打事件

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パワハラはすぐに対処しにくい部分もある。

人事担当者の悩みの一つである!

 この土日の日本経済新聞で気になった記事は、22日(日)の朝刊27面の記事、「暴発はパワハラが原因か」揺れた天秤~法廷から~)である。

 ゲーム会社に勤めていた男性が、職場に置かれていた消火器を元上司の頭部めがけて振り下ろした。男は逮捕、即日解雇された。

 男に当時の記憶はなく、法廷で見せられた防犯カメラの映像で自分が何をしたのか認識したそうだ。

 男は元上司からパワハラを受けていたと主張、追い詰められていたという。会社には内部通報窓口があり犯行の4日前に連絡、相談していたようだ。

 パワハラ、セクハラについて人事の担当では、ある程度把握しているのが通常である。パワハラ、セクハラについて、その傾向のある人物は、どこに配属されても同じような問題を起こすからである。

 不謹慎な話だが、パワハラ傾向の人達を「パ・リーグ」、セクハラ傾向の人達を「セ・リーグ」などと言っていた。

 このようなパワハラのような情報に関しては、職場内から複数上がってくる場合が多い。パワハラを受けている、パワハラの状況を見かけたなどの声が人事の担当に上がってくる。被害者は1人でないことが多く、複数人の被害者がいる場合がほとんどだった。

 パワハラに関しては、被害者の声が上がってきてもすぐに対処することは難しい。熱意を持った仕事の指導の延長だったりする場合も多く判断が難しい面があるからだ。

 記事の中に厚生労働省のパワハラの定義がある。

  • 優越的な関係を背景とした言動
  • 業務上必要かつ相当な範囲を超える
  • 労働者の就業環境が害される

という3要件を満たしてパワハラが認定されるとのことである。

 人事担当としては、その傾向がある人物をまず把握して、長期継続的に被害の声が上がるかを管理し、その後の処遇を考えるという場合が多いのではないだろうか。

 記事の中でも、被害を受けた社員の47.1%が会社は何もしてくれなかったと回答しているが、よほど明らかなパワハラ以外はすぐに対処しにくい事例が多いからだと考えられる。

 パワハラが発生しやすい職場として最初に上がるのが営業系の部署である。売り上げに届かないとやはり上司から指導される。売り上げが出せる社員は優遇され、売り上げが出せない社員は文句を言われたりする。

 実は、上司も自分自身の売り上げ目標を課せられるプレーイングマネージャーだったりする場合、さらにその傾向が強くなる印象である。

 個人に売り上げを課すとそのような問題が起こる。ではチームに売り上げを課すとどうなるか。チームのリーダーが売り上げの少ないメンバーを指導し、同じような問題が起きてしまう。

 いろいろ試した経緯を知っているが、つい指導の延長でパワハラめいたことが出てきてしまうのは致し方ない部分がある。

 通常の裁判では、被害者は証拠にはならない。証拠は別に証人、証拠物が必要となる。

 職場内のパワハラに関しては、被害者自体を一つの証拠として扱うことが大切であると感じる。被害者がいるだけでは事態は動かないような形にすると手遅れになる場合がある。少なくともそのような訴えがあった場合には、「やった方」「やられた方」の双方を別々に呼び出し、事情を聞き、パワハラに該当するか確認するような作業をするべきではないかと感じる。

 そのような事情を人事に呼び出され聞かれただけでも、「やった方」の上司にはクギが刺せるであろう。パワハラをしないようにという気持ちも持ちやすいのではないか。

 従来のリストを作ってとりあえずその後の様子を確認するだけでは、手遅れになる可能性が高い。また、職場の規模が小さいような場合、複数の声が上がらず、そのまま1人の被害者がいじめられ続ける場合もあるかも知れない。

 人事が露骨に動くと、「人事にチクりやがって」というような感情が芽生える可能性もある。人事の担当が身近で何でも相談しやすい存在であることが必要なのかも知れない。

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